節税対策 - 2026-06-19

あなたの知らない査察の世界4、私の査察事件簿5 

6月も半ば、梅雨入りしましたね。皆様どうお過ごしでしょうか。

 今回は、私の査察勤務第5号事件のお話をしたいと思います。

 第5号事件は、私が主担をした最後の査察事件となった事案でした。

 福岡県のある地域の、個人の「衛生業」の方の事案で、税務署からの連絡事案でした。

税務署からの連絡事案とは、前にもお話ししましたが、税務署の調査の過程で多額の不正が発覚し、その不正による重加算税対象の所得金額や税額が査察に連絡しなければならない基準額を超えたため、税務署に代わり、査察が調査をすることになる事案の事です。

この個人事業者の方は、納税非協力団体に加入しており、毎年、税務署に集団申告していました。

納税非協力団体員の調査は、税務署の特定の担当者が行いますが、この調査で確認した売上や所得が、申告とあまりにも開差があったため、査察に連絡したと言うことですね。

ただ、査察調査は、税務署から連絡があったとは、口が裂けても言いませんから、税務署が先に調査していること自体を、知らないフリをします。

(査察の差押捜索令状を示し、査:「関係帳簿書類はどこにありますか。」、被:「税務署が、持って行きました。」査:「ええっ、税務署が入っている、いつからですか。」とかですね。 … )

 

当時、私は、査察調査を丸々4年間経験し、調査の手法や手順もある程度、身につけていました。

査察の実施(調査担当)班は、原則、主査と査察官の2人ペアです。私がその時に組むことなった主査は、税務署から査察に転勤したばかり(前に、国税局の主務課(エリート部署)におり、税務署に戻った際のポスト待ち状態)の人で、エリート意識が強いため、調査中に何度もトラブルになりました。

 

調査対象者は、査察調査の過程で、個人事業(名義は母)を廃止し、法人に組織変更しました。(社長は、経営の実務を任されていた二男)

個人事業は、社長の亡くなった父が、元々開業し、父の死後、母が引継いだもの(名義のみ)でしたが、実質的な経営は二男である社長に任されていました。(社長は、高校卒業後、別なところに就職していましたが、若いうちに父に呼び戻され、実質的な経営を任されていました。)

 

 調査においては、調査対象者の相手に十分な配慮をする必要があるのに、主査は、勝手に社長席にすわり、配慮のない上から目線の無礼な物言いを常にするため、結果、社長を怒らせてしまい、調査の途中から、その主査を全く相手にしなくなりました。(答えない、無視する等 … )

 

 その結果、通常は、査察調査の告発とは別に、査察調査結果の数字に基づく修正申告を税務署に自主的に提出する(結果として、修正申告を自主的に提出することが、脱税事件の裁判で情状酌量の判断となる)のを、拒否したのです。

 困りました。 … (私は、社長と通常のやりとりをしており、主査に対する愚痴や要望は、よく聞いておりましたので … )

 

ただ、社長には、有名な私立中学校に通学する子供さんがおられ、査察から告発されると会社名や個人名が実名報道されることは、事前に知らせていましたので、社長から、子供の将来を考えると、これだけは、避けたいので、「どうにかなりませんか。」と、相談されました。

 

社長には、査察の脱税事件として、検察庁に告発されるのは、間違いないので、検察庁の担当検事さんに、修正申告を自主的に提出することで情状酌量や、子供さんの将来の事について相談するしかないと、アドバイスをすることしかできませんでしたが … 。

 

何と結論として、会社名や個人名が実名報道されることはありませんでした。(実に、びっくりでした。)

 

ただ、この事案で、考えさせられたことがあります。

職業に貴賤はなく、平等ではあるはずなのに、「衛生業」というイメージなのでしょうか、社長は、別業の法人を設け、別な表舞台で勝負をしたいとの思いがあったようです。(そのために、脱税資金を流用したと。… )

 

また、証拠として押収した経費領収書の中に、同一日、同一店のレシートが、異常な程、多くあり、これは、どういう事なのか、社長を詰問したところ、夫婦で、日頃から子供の前で、「税金高いね。」とか言っていたら、スーパー等に家族で買物に行った際、子供が「親孝行」と思ったのか不要箱に捨てられたレシートを持ち帰り、そのまま、家の仕事のレシート保管箱に入れていたようだとの事でした。

さすがに、子供から、その話の「質問てん末書」は、とれませんので、社長に責任をとってもらいましたが … 。(子供さんの前での、夫婦の会話でも、十分な注意が必要ですね。… )

 

 ところで、私事で恐縮ですが、令和8年7月にて退職することとなりました。

 思えば、税務署を定年退職(令和5年7月)し、本来は、再任用制度で、令和5年8月より別の税務署に勤務の予定でしたが、国税での査察や、税務署で無予告調査等の「(汚い)裏の仕事」ばかりしていたため、税務署での仕事にすっかり嫌気がさし、何か新しい仕事をしてみたいと考えていた矢先に、川庄公認会計士事務所の募集が目に留まり、手をあげたところ、川庄先生から拾っていただき、再任用を蹴っ飛ばして、約3年間勤務させていただきました。

 会計ソフトでの初めて起票をしたり、その後、お客様を担当させていただき、定時訪問を通じ、税務や税務以外の相談事や、法人税の申告書作成、相続税の申告書作成等、色々な勉強をさせていただき、感謝しています。

 お客様の訪問に際しても、当初は、とまどいしたが、数を重ねる毎に、慣れて打ち解けられるような感じになっていた時で、大変残念ですが … 。

 長男の海外赴任と結婚予定(R8年8月頃 … 私が海外に行く訳ではありませんが … )

二男の結婚(R8年10月)と、

 家庭の大きな行事が続くため、長期間、休まざるを得ない可能性が高いので、今回、退職とさせていただきました。

 川庄先生、事務所の皆様、お客様、3年間ありがとうございました。

 

             川庄会計グループ 川庄公認会計士事務所 戸島

                          

 

 

 

 

 

 


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