「法人所有の社宅を役員に貸すとき、家賃はどう決めたらいいの」と、時々お客様から質問を受けることがあります。
法人が自社所有の社宅や寮などを貸与するとき、使用人の場合には賃貸料相当額の50%以上を、役員の場合には賃貸相当額の全額を、それぞれ受け取っていれば給与として課税されないことになっています。賃貸料相当額は毎年4月になると法人に届く、固定資産税・都市計画税課税明細書に記載されている、建物の床面積、固定資産税の課税標準額をひろうことで計算することができます。
まず、貸与する社宅の床面積により小規模な住宅か、豪華社宅か、いずれでもない社宅かに分類します。小規模な住宅とは、法定耐用年数が30年以下の建物の場合には床面積が132㎡以下、法定耐用年数が30年を超える場合には床面積が99㎡以下である住宅をいいます。なお、マンションなど共用部分がある場合には、共用部分の床面積については按分し、専用部分の床面積に加算して判定を行います。豪華社宅とは、床面積が240㎡をこえるもののうち、内装の状況や支払賃貸料などを総合的にみて判断します。例えば、一般的な社宅では設置されていないプール等の設備がついていたりすれば豪華社宅に該当する可能性があります(なお、240㎡以下であっても、役員の嗜好を反映した設備等があれば該当する可能性があります)。
分類できたら、下記の式に従って賃貸料相当額を計算します。
① 社宅が小規模な住宅である場合
(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×0.2%
+12円×(その建物の床面積㎡÷3.3㎡)
+(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×0.22%
② 豪華社宅の場合
支払賃料、内外装の状況等を総合的に勘案して賃料相当額を算出します。実際には、不動産鑑定士による賃料査定や、近隣の不動産業者の賃料査定などに頼ることになるかと思います。
③ 上記2つのいずれでもない場合
(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×12%
+(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%
※法定耐用年数が30年を超える建物の場合には
(その年度の建物の固定資産税の課税標準額)×10%
+(その年度の敷地の固定資産税の課税標準額)×6%
余談ですが、法人ではなく、他から借り受けた住宅等を貸与する場合、
法人が家主に支払う家賃の50%の金額と、③で算出した賃貸料相当額とのいずれか多い方が賃貸料相当額となります。なお、この場合には、手元に固定資産税・都市計画税課税明細書がないので、社宅の所有者に聞くか、物件所在地の市区町村から課税証明書を取得する必要があります。
なお、課税標準額は原則として3年ごとに見直され、課税標準額が改定された場合、賃貸料相当額を算出し直す必要があります。
川庄公認会計士事務所 川上
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