11月も近づき、税務署から年末調整の書類(扶養控除申告書等他)が届く時期となりました。
まだまだ、紙ベースでの書類提出が多い年末調整ですが、国税庁では10月15日に令和7年分の年調ソフトの公開がありました。
この年調ソフトとは「年末調整控除申告書作成用ソフトウェア」といい、従業員の方が控除証明書等のデータを活用し、勤務先に提出する年末調整関係書類をデータ又は書面で簡単に作成するために国税庁が無償で提供しているソフトウェアです。
実施方法には3パターンあり、選択することができます。
パターン1:完全電子化
従業員も会社側もすべてを電子(PC等)で行う方法
※この場合、従業員は控除証明書等をデータで保険会社等から取得する必要があります。
控除証明書等はデータ送信(メール等)で会社に提出します。
パターン2:部分電子化①
(従業員側が)申告書の入力、提出等は電子(PC等)で行い控除証明書等の取得・提出は書面で行う場合
※控除証明書等を書面でしか取得できない場合は、このパターンになります。
申告書はデータ送信(メール等)できますが、控除証明書等を提出する際はそのまま書面で提出が必要となり、
また、会社側もその書面を書類保存しないといけません。
パターン3:部分電子化②
(従業員側が)控除証明書等はデータで取得、申告書の作成は電子(PC等)で行うが、それを書面で提出した場合。
※この場合は会社側が書面の内容を給与システムに手入力しかつ控除証明書等は書類保存しないといけません。
また、従業員側もデータで取得した控除証明書等を「QRコード付き控除証明書」として作成し書面提出をしなければなりません。
電子化した場合における従業員、会社側のメリットは以下の通りです。
(従業員側のメリット)
・これまでの手書きによる扶養控除申告書等他の記入、控除額の計算等が省略できる。
・控除証明書等を紛失した場合保険会社等に再発行を依頼しないといけなったが不要となる。
(会社側のメリット)
・従業員が年調ソフトで申告書などを作成するため検算が不要となる。
・書面による年末調整の場合の書類保管コストも削減できる
会社側では紙で保管が必要ないため会社のスペースを取ることもなくなりますし、全て電子化するとお互いの手間が省けてとても良いですね。
ただ、そうとは言ってもなかなかPCでの作業、スマホでの作業が苦手な方もいらっしゃいますし、少しずつ電子化を進めていく流れになるのでしょうね。
国税庁では電子化に関するパンフレットやソフトウェアのリンク等記載されています。
興味がある方はご確認されてみてはと思います。
川庄公認会計士事務所 平島