経営コラム - 2012-11-27

金融円滑化法廃止後の対応 その2 川庄ジャーナルNo88

Posted by 川庄 康夫
Yasuo Kawasho

2.金融円滑化法対象企業

 

我国の企業数は240万社と言われています。そのうち金融円滑化法により借入金の猶予を受けている企業は40万社と言われています。ただし、借入金の減額をしなくてもよいが、企業側・銀行側の都合で借入条件を変更し毎月の返済額を猶予してもらっている企業もありますから、金融円滑化法廃止後の2013年4月以降に問題になる企業の数は35万社前後と言われています。

 

来年3月の金融円滑化法の廃止を見込んで、政府はセーフティネットでの融資対象業種を4割程度縮小しました。セーフティーネットからはずされた業種に対する保証協会の保証は、100%ではなく80%なので銀行の貸出リスクが20%発生します。そのため銀行はこれらの業種に対する融資に二の足を踏むようになりつつあります。

 

銀行の体力がなく条件変更の融資先に十分な貸倒引当金を設定していない場合は、新規融資がスムーズではなくなって、お金が世の中に廻らなくなってくる可能性もあります。このような貸し渋りは、小さな金融機関(信用金庫・信用組合等)に特に多いと言われています。

 

一方メガバンクでもそれがないわけではありません。メガバンクでは、条件変更融資先に対する貸倒引当金は、すでに引当済と聞いていますので、貸し剥しや貸し渋りに何の躊躇もなく強気で実行されると思われます。取引銀行を1行にしてしまうとそのような貸し剥しや貸し渋りに対応できません。そのため、銀行は1行だけではなく複数行と取引するようにしておいた方がベストだと思います。

 

もし、自社がリスケジュールを行っている、もしくはそんな会社を知っている、という方がいらっしゃいましたら、当事務所へご連絡下さい。当事務所のコンサルティング事業部では経営再建のお手伝いをさせていただいています。経営者とともに経営計画書を作成し、毎月の会議に出席し、予算と実績の摺りあわせを行い、経営目標の達成に全力を尽くしています。その結果、赤字が続いていた企業が、2年の後に黒字へ転換し、銀行の格付けも正常先になったという事例もあります。

 

たとえ、自社がリスケジュールを行っていなくても、「心配ない」のではなく、取引先企業の与信管理を少し厳格に考えて対応する必要があると思います。連鎖で資金繰りが逼迫するようなことがないようにしなければなりません。

もし少しでも不安がありましたら、当事務所の担当者へお声掛け下さい。公的資金を含め、どこの金融機関への対応も迅速に行います。また、早めに融資を受けておくことをお勧めします。

 

川庄会計グループ 代表 川庄 康夫

Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫

ブログ TOP

節税対策 2025-09-26

「法人所有の社宅を役員に貸すとき、家賃はどう決めたらいいの」と、時々お客様から質問を受けることがあります。   法人が自社所有 ...


節税対策 2025-09-19

2025年8月7日に令和7年人事院勧告(注1)が行われ4月以降の措置内容として自動車等の使用に対する通勤手当の引き上げが勧告されました。 ...


節税対策 2025-09-12

9月になりましたね。しかし、まだまだ暑い日が毎日続き、突然ゲリラ豪雨が襲ってきたりする時もありますよね。皆様どうお過ごしでしょうか。  前 ...


節税対策 2025-09-05

役員報酬を変更できる時期は、原則として事業年度開始から3か月以内、1事業年度に1回と決められております。3か月を過ぎてからの役員報酬の変更は ...


人事労務コラム 2025-08-28

年金制度改革法が成立し、社会保険料に関する加入要件等が見直されました。社会保険については、106万の壁と130万の壁がありますが、今回の改正 ...


092-524-6556
営業時間 9:00〜17:00