前回の続き
判決要旨は
「被相続人が住宅に居住していなかった理由、期間、その間の生活場所や状況、住宅の維持管理の状況など客観的な事情を総合的に勘案して社会通念上、被相続人等が当該家屋に居住していなかった状況が一時的なものであり、生活の拠点はなお当該家屋におかれているといえる場合には、その敷地は居住の用に供されていた宅地に該当すると解される。本件の場合、生活の本拠が当該家屋に置かれていたとは認められない。」
というものでした。つまり、この被相続人は一時的に老人ホームに入居していたのではなく、その老人ホームが生活の拠点であったと判断されたわけです。やはり「終身利用権」の有無がポイントとなったように考えられます。
もちろん、老人ホームを選択する際に相続税評価が低くなることを判断基準とされることはないでしょうが、一方で相続税評価に関しては「終身利用権」の有無がポイントとなることを認識しておくことも必要です。
「小規模宅地の評価減 老人ホーム入所のケース」はこの項をもって終了です。
宮原 洋史
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