企業は、役員・従業員の保証はもちろん、節税や貯蓄・退職金積立等様々な目的で生命保険に加入しています。しかし昨今の不景気による売上高の激減で、保険料の支払いにより資金繰りが圧迫されているケースが目立ちます。
それには理由があり、退職金積立目的の保険の場合、一定の期間払い込みを続けないと解約返戻金の金額が上がらず、それまでに支払った保険料が払い損になってしまうからです。しかし、リスクヘッジのために掛けた保険料が足かせとなり、会社の資金繰りを悪化させては本末転倒です。
そこで、「払済」・「自動振替貸付(APL)」という方法をご紹介したいと思います。
「払済」とは、契約者の申し出により、保険料の払込を中止して、その時点での解約返戻金をもとに、保険期間をそのままにした保証額の少ない保険に変更する方法です。
保証額は小さくなりますが、今後の保険料の支出を止められますので、資金繰りは改善されます。ただし、元の契約の特約は消滅してしまいます。
次に「自動振替貸付(APL)」です。この制度は、保険会社が解約返戻金を担保にして、契約者(会社)に保険料を自動的に貸し付ける制度です。
この方法も当面の保険料の支出をとめることができます。また、融資を受けてではありますが保険料を払い続けているのと同じですから、同じ返戻率で解約返戻金を受け取ることができます。
ただし、解約時にこれまでの貸付金及び手数料を差し引かれるため、解約返戻金の金額はその分小さくなります。
これらの方法は保険会社・保険種類によって利用できない場合もあります。加入の際には、「保険のリスクヘッジ」として利用可能か前もって聞かれることをおすすめします。
井本 剛志
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