節税対策 - 2025-05-15

あなたの知らない査察の世界2

5月になりましたね。

連休の間も仕事だった方もいらっしゃると思いますが、皆様どうお過ごしになられましたでしょうか。

前回に引き続き、私が在籍していた福岡国税局の「査察部門」に触れてみたいと思います。

ところで、どうして私が「査察部門」に配属されることになったのかその経緯についてお話したいと思います。

税務署員は各地域の「国税局」に所属していますが、一般の税務署員から「査察部門」の希望を出したとしても、必ずしも希望が叶えられる訳ではありません。(後でわかった事なのですが「査察部門」は、激務なため敬遠されており、「査察部門」自体が、各税務署の若手職員の中から仕事に耐えられる人選を行っていたみたいですし、また国税局や税務署幹部の推薦が必要な様でした。)

しかし、私は「査察部門」が、どんな組織か、どんな仕事をするところなのか、何も知らないまま希望をしてしまったのです。

私は「査察部門」配属の直前まで、税務署の個人課税部門で、納税非協力団体の会員の調査を3年間専門で担当させられていました。

納税非協力団体とは:差障りがありますので、固有の名称は申し上げられませんが、世間一般的には「市民団体」と称される事が多いです。その団体は「納税者の権利」を全面的に主張し、税理士等の資格をもたない方々が、税務調査時の立会を要求、税務調査や税務行政に対し様々な抗議活動を行っていました。(平成4年当時の事です。現在はどうなのでしょうね?)

例をあげますと、ある個人納税者の方の調査に自宅等にお伺いすると、玄関に何足もの靴があふれかえり、部屋に通されると(何かの寄り合いみたいに)既に大勢の方が座って待っており、ご本人が誰なのかを確認することから始まります(事前には、電話でしか話しをしていないのでお顔がわからないのです)。

ご本人を確認した後、大勢の方にあなたは誰ですか、どのようなご関係の方ですかと確認する作業が始まります。調査にはご本人の個人情報等が関係するので、税理士の資格をお持ちでない方の立会はできませんよと説明しますが、そんなの関係ない、ご本人の許可をもらっているとか、調査理由を述べよ、納税者の権利を守らないのかと主張され、そのような事がその後、何回も繰り返された後に、やっと調査が始まることになりました。

そのような経験をした事から、単に法に基づく「強制調査」が行える「査察部門」を何も考えずに希望してしまったのです。

ところが、いざ配属された「査察部門」は、今で言う「ブラック企業」の様なものでした。

最初に赴任のご挨拶に伺うと、部屋の入口には「関係者以外立ち入り禁止」の大きな貼り紙が貼られ、意を決し扉を開けて中に入ると一斉に刺すような視線が降り注がれました。

(刑事ドラマのマル暴担当部署を想像してみて下さい)その時、ああ人生、終了したと思いました。

その後、直属の上司(主査と言う役職です。)となる方々に挨拶を済ませますが、(上司は、若い時から査察を出たり戻ったりしている方ばかりなので)口は笑っていても目は笑っていない様な方ばかりでした。

査察での仕事は、税務署で経験した事務など一切役に立たないものばかりでした。

ですから仕事を教えてもらい覚えるためには、上司とは師弟関係(主に2人ペア)にならざるを得ず、その当時の上司の中には、(飲み会に)付き合わない奴には仕事を教えないと公言される方もいました(しかし、上司の行きつけの飲み屋が閉まるまで、飲み会中も仕事や同僚の悪口を聞かされる付き合い残業となり、要は割勘要員のようなもの)ね。

当時、どこの官公署でも喫煙場所が決められていましたが、査察部門は「治外法権」でした。新入は、朝の机拭き等の仕事以外に、各担当者の机にある灰皿(スモーキンマウンテン状態)を鉄バケツで回収し、灰皿洗いをするも日課でした。

仕事の鬼のような上司が多かったのですが、そのような職場なので既に家庭環境が破綻されていた方が多く、家に居場所がなく土日も仕事に出てくるため、弟子としては土日も仕事に付き合いで出ざるを得ないことも多くありました。(ある上司曰く、家内よりお前と過ごす時間の方が多い、そりゃそうでしょうね。)

なお、本日は、ここまでとさせていただきます。

 

             川庄会計グループ 川庄公認会計士事務所 戸島

 


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