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川庄 康夫 Yasuo Kawasho |
1. 会社の永続性
以前は会社の寿命は30年であり会社にも寿命があるとの実証データがありました。現在はもっと縮まっていて15年程と言われています。
世の中のニーズの変化、社会環境の変化等、企業を取り巻く状況に合わせて企業も変化しなければいけません。
進化論を唱えたダーウィンが言っていました。「地球上で、残るのは体が大きいとか力が強いとか強力な物(者)が残るのではなく環境変化適応力がある物(者)だけが生き残ることができる。」現代はガラパゴスでは生きていけないのです。
でもガラケーはまだ存在して使用されているのではないか?
しかし、主流はスマホです。でも、これに勝る物が出てくるとスマホも主役の座を降りることになります。ですから、常に新しいものにチャレンジしなければいけません。会社は休んだり、止まると成長が停滞します。
そうならない仕組みを作り上げる必要があります。
会社に寿命があるのは、3つの視点の欠如によるところです。
(1) 創業者視点(新しい物を作りあげるチャレンジ精神)
クタクタになる迄、働く強い意志、何事にも挑戦する意欲等目標を高く掲げて突き進めなければなりません。
そのためには設備投資も必要となります。
(2) 顧客視点
顧客のニーズは何か?どんなことを自社に期待しているのか?それに対してどのようにすれば、満足してもらえるのか?
自社に足りないものは何か、それはどうすれば補充することができるか(ソフト重視)を追求しなければなりません。
(3) 共創視点(自社従業員との一体感を持つこと)
企業は人なりと言われています。会社と従業員が同じ目的に向かって努力する会社理念は絶対にはずせません。
以上3つの視点に軸足を置いた経営をすると企業は継続することができるでしょう。
我国は、いまだデフレ下にあり、企業の成長スピードも大きくない会社が多数を占めますが、霧島酒造は1998年の売上高が82億円、2013年度は566億円と7倍に増加しました。
成熟産業と言われている焼酎業界での話です。又収益力も群を抜いています。日銀の全国企業短期経済観測調査によると国内製造大企業の売上高経常利益率(過去10年間平均)は5%、霧島酒造は14%であり、優良な大企業の約3倍です。
その牽引力となったのは98年販売の黒霧島の寄与するところです。黒霧島の販売から14年目に会社の売上高で焼酎業界の首位を奪取しました。
アサヒビールが1987年に「スーパードライ」を販売し、キリンビールから首位の座を奪うまでに要した時間が14年です。アサヒと同じスピード快進撃でした。
焼酎業界は2度のブームがありました。70年代に鹿児島県の薩摩酒造の芋焼酎「白波」が第一次ブームを起こし、次に「下町のナポレオン」のキャッチコピーで三和酒類の「いいちこ」が爆発的なヒットを飛ばし、第二次ブームとなりました。「いいちこ」は焼酎臭さを感じさせない飲みやすさが受け入れられ全国区の銘柄となりました。
当時の霧島酒造はブームとは無縁で「一粒の米、一片の芋も無駄にしない」コストダウンの徹底と品質向上のためには投資を惜しまない経営を貫き、「良いものを作れば、おのずと売れる」との信念でマーケティングに興味を示しませんでした。品質の良いものが必ず売れる保証はありません。
代表的な例がビデオテープです。ビデオの世界で品質に優れていたソニーのベータはそれよりも品質が少し落ちるパナソニック、ビクター陣営のVHSに完敗しました。
自分の製品が良いならば必ず売れるとの思いでは勝てません。自社製品が良くても驕らず謙虚な気持ちをもちマーケティングを行ったり、世界標準のグループ化を主導したパナソニックグループにソニーは破れました。
技術が良ければ勝てる訳ではありません。次回で成長の過程を述べます。
川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫
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Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫
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