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川庄 康夫 Yasuo Kawasho |
1. 相続税法改正
平成27年1月1日から改正相続税法が適用されます。大きな改正点は、相続税の基礎控除が現在の60%へと大きく引き下げられたことです。
相続人が、配偶者(奥様)と子供2人の場合、現在は5,000万円+(3人×1,000万円)=8,000万円を基礎控除として総資産から差し引くことができます。亡くなった方の財産(現預金、不動産等)から負債(ローン、未払税金等)を引いた正味の財産が8000万円以下であれば、相続税の申告義務はありません。
今回の相続税改正により、この基礎控除は5,000万円→3,000万円・1,000万円→600万円となり、3000万円+(600万×3人)=4,800万円の基礎控除となりました。現在は、亡くなった人の4%程度の人が相続税の申告をしていますが、この基礎控除の減額により、おおよそ2倍の7~8%程度の人が相続税の申告をすることになると思われます。
また、相続税の税率の刻みも細かくなり、最高税率も上がりました。法定相続分に応ずる取得金額が3億円超の場合の相続税率は50%であったものが、3億円~6億円の50%と、6億円超についての55%が定められました。
現在、秋の税制改正の話がでていますが、アベノミクスの第3の矢、成長戦略を成功させるには労働規制の改正、法人税率の引き下げ等も検討しなければいけません。一方では高齢化社会を迎えるにあたって、年金支出・健康保険支出等の社会保障費は必然的に増加し、2025年には52兆円程に達すると言われています。
我国は歳入、歳出のバランスを多額の国債発行(42兆円程)によって保っています。政府公約として2020年にはプライマリーバランスを収支均衡にするとしています。その為にも税収の増加は不可欠であり、所得税や消費税等の比較的取り易いところから税を徴収する方針だと思われます。
2016年1月1日にはマイナンバー制度が導入され、社会保障、徴税等を一体として一元管理することになるのでしょう。2013年からは海外資産5,000万円超の方は報告する制度も始まり、相続税の申告漏れをできるだけ少なくすることに主眼を置いた改正をおこなっています。
今まで「相続税なんて関係ない」と考えていた方も、生命保険金、居住用財産、預貯金、有価証券等があれば、相続税の課税最低限が引き下げられたので、相続税の申告が必要になると思われます。
相続税の申告期限は、被相続人が亡くなってから10ヶ月です。案外長いようですが、10ヶ月はすぐにやって来ます。
川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫
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Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫
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