人事労務コラム

2016年11月 2日 水曜日

確定拠出年金について

1.長寿社会の到来
我国では公的年金を受給できる年齢は満65歳となりました。そのため定年延長制度を取り入れるなど本人の希望により働けるうちは年齢に関係なく働くことができるとなっています。

先日乗ったタクシーの運転手さんに年齢を問うと「68歳です。会社の定年は75歳です」と返答されました。健康であれば年齢に関係なく働くことは良いことと思います。

我国の健康寿命(健康上の問題がなく日常生活を普通に送れる状態)は男性71.19歳、女性は74.21歳です。平均寿命(0歳児が平均して何歳まで生きられるかを示したもの)は男性81歳になり、女性は86歳を超えました。

60歳の平均余命は男性で23.38年(83歳)女性は28.68年(88歳)となっています。今年100歳以上の人数は6万5千人を超え、90歳まで生きる女性は48.3%で男性はその半分の24.8%です。

65歳で定年を迎えた後、多くの人が20年~30年生きることになります。公的年金はなくなることはありませんが、支給額は減少する可能性があります。

2.厚生年金・国民年金平均受給額
以前は厚生年金と国民年金等の掛金期間が25年以上なければ受給できませんでしたが無年金者救済の為、掛金期間10年以上で公的年金受給できるようになりました。

国民年金は満額186,500円で保険料掛金期間×1638円で年金額が出ますし厚生年金の平均受給額は夫婦2人で約203千円(月額)です。厚生年金は加入期間の報酬が高かった人はより多くの厚生年金保険料を支払っているので、その分年金の受給金額も多くなります。

原則65歳からもらえる年金を繰り下げる(先送りする)ことで1カ月当たり0.7%分年金を増額できます。(上限は42%増迄)

総務省「家計調査年報」によると2014年の高齢者夫婦無職世帯(夫65歳、妻60歳)の1ヶ月の家計収支は老後の実支出26.8万円で老後の実収入は20.7万円なので毎月6.1万円の赤字となり年額で78万円不足するとの実態調査があります。

今後30年長生きすると2,340万円不足することになりそのため約3,000万円程の貯蓄額が必要となります。公的年金は前述のような状況ですから、将来の生活は自助努力ですることも検討しなければならないことも踏まえ確定拠出年金の法改正が行なわれました。

3.改正確定拠出年金法が成立
確定拠出年金は2001年に施行されました。個人型は26万人(13万社)が加入し掛金は金額が小規模企業救済等掛金控除の対象となり確定申告や年末調整により個人の節税として小規模企業共済等掛金控除として年末調整などを行う。企業型としては577万人(2万社)の法人が加入し会計上、福利厚生費として全額損金算入を行っています。

この制度を参考にしたアメリカでは、内国歳入法401条(K)項を根拠条文とするため、401Kと呼ばれ近年ではDC(Defined contribution)と呼ばれます。我国においても個人型確定拠出年金を個人型DCといいます。

個人型DCは「元本保証で全額所得控除」として徐々に浸透しています。個人型DCは2016年5月に改正法が成立し2017年1月からは公務員や専業主婦などにも制度が解禁され多くの人が加入すると期待されています。

又国は不透明さを増す公的年金制度を補完するため自助努力型のDCを積極推進する方針に転じました。国民年金加入者は個人型DCに年額816,000円まで加入できますが、厚生年金加入者は個人型DCに年額276,000円まで加入でき所得控除になり各々所得税率に応じて税金が安くなります。(最高13.8万円)

但し60歳以降でないと受取が不可ですが年金受取(公的年金等控除対象)や一時金(併給も可能)は退職所得控除の対象となりますので支払時は所得控除ができて税金が安くなるので、受取時は公的年金控除や退職所得控除で税金が安くなり有利な商品と言えます。

税制面で個人型DCは
①毎月の掛金額は自分が決めて毎月積み立て
②自分で運用商品を選ぶ結果は自己責任です元本確保型もあり過半数の人がこれを選択しています。
③自分の年金資産残高が記録管理されます。
④離転機の場合ポータブル(持っていくことができる)なので節税をしながら年金積立の夢を追いかけることが可能です。

川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄康夫


 

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2016年9月26日 月曜日

社会保険の適用拡大の動き

 平成28年10月から、従業員が501人以上の事業所について、以下の要件を全て満たす従業者(パート等)は、社会保険に加入しなければなりません。

 ①1週間の所定労働時間が20時間以上

 ②月額賃金88,000円以上(年収106万円以上)

 ③継続して1年以上雇用されることが見込まれること

 これまでは年収が130万円未満で、勤務時間が週30時間未満であれば社会保険に加入する必要はなかったのですが、これからは上記の要件を全て満たす場合は社会保険に加入しなければならなくなります。


 なお、3年後の平成31年10月からは従業者500人以下の事業所も適用予定となっています。

川庄会計グループ 川庄公認会計士事務所 谷川敏明

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2016年9月 8日 木曜日

≪ 個人型確定拠出年金のご紹介 ~その②~ ≫

≪ 個人型確定拠出年金のご紹介 ~その②~ ≫

前回≪個人型確定拠出年金のご紹介~その①~≫においては日本の年金制度の概要と個人型確定拠出年金についての概要を述べてきました。引き続き、個人型DCについてメリットとデメリットを少しご紹介していきたいと思います。

【個人型DCのメリット、デメリット】

○メリット
①負担は企業でなく個人
→会社としては新たに資金確保の必要がない。
→会社側の制度導入時の手続きの負担もほぼなく、会社側は個人の在職証明や厚生年金加入証明をするのみ

②個人が運用を決められ各人が自分の年金資産を日々確認できる
→ネットサービスを介して確認できる

③掛金は全額所得控除
→小規模企業共済等掛金控除の対象となる

④運用益が非課税
→預金利息、投資信託等の収益分配金等にかかる税金が個人型DCで資産運用して得た収益については非課税

⑤受給時の税制優遇
→年金受け取りの場合雑書特として課税され、公的年金控除が適用
→一時金受け取りの場合退職所得として課税され、退職所得控除が適用

⑥ポータビリティー
→従業員の転職の際に新しい職場の確定拠出年金制度等に自分の持分の引継ぎができる

⑦事業主の加入もできる



○デメリット
①原則60歳まで解約できない

②各種手数料がかかる
→口座開設手数料、国民年金基金連合会への手数料、口座管理手数料など


2016年5月成立の改正法により2017年1月からはこれまで加入の認められていなかった公務員や第3号被保険者の専業主婦などにも制度解禁がなされ今後制度の拡大が予想されています。企業としては事務負担や資金繰りの負担無く、また加入する個人にとっても税制面でメリットのある個人型DC。今回、特徴やメリット・デメリットをかいつまんでお話してきましたが、ご興味もたれましたら担当者までご相談ください。

 


川庄会計グループ 川庄公認会計士事務所 丸山

 

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2016年9月 2日 金曜日

個人型確定拠出年金のご紹介 ~その①~


先日、2016年8月26日の日経新聞において日本人の寿命について一つの課題が提起されている記事が掲載されていました。その記事によると国民の平均寿命が男性で80.5歳、女性で86.8歳また、90歳までの存命割合が男性24.2%、女性48.3%と「人生90年」時代がすぐそこまできていることが示されており、国民寿命が伸びていることは喜ばしいが、寿命が伸びることに伴う経済的な裏づけが確保されていないという問題が提起されています。


企業の舵取り役である経営者の皆様としましても、従業員の皆様の老後に備えて何らかの支給をお考えになることも少なくはないかと思います。その一助として今回は確定拠出年金(Defined Contribution Plan:以下DCと略します)の個人型に焦点を絞って2回に分けてお話させていただこうと思います。


先ずは、ご存知のことと思われますがわが国の年金制度について軽くお話いたします。わが国の年金制度は大きく3段階の制度となっています。


【年金制度の構造】
3階・・・厚生年金基金、確定給付企業年金、企業型DC、個人型DC など
2階・・・国民年金基金 第1号被保険者  or 厚生年金保険 第2号被保険者
1階・・・国民年金(基礎年金) 第1号被保険者~第3号被保険者

上記年金制度の構造にも見られますように今回のテーマの個人型DCは3階部分に位置づけられます。


【個人型DCとは】
年金制度の構造3階部分にあたるものに確定給付企業年金と確定拠出年金というものがあります。前者は掛金の拠出時に将来の給付を予め確定しておくもので、後者はある一定の掛金を加入者が拠出・運用しその運用結果によって将来の年金額が決まるタイプの年金制度です。
また、確定拠出年金の中でも企業型は会社側が制度を導入し掛金の拠出も基本的には会社が負担する(個人が追加で掛金を拠出するマッチング拠出もある)、個人型は個人が任意に加入し掛金も個人が拠出という違いがあります。


今回は、年金制度の基本的なことと、個人型DCの基本事項に留めておき、次回は個人型DCのメリット・デメリットについてお話させていただきます。

 


川庄会計グループ 川庄公認会計士事務所 丸山

 

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2016年4月27日 水曜日

平成28年3月分(4月納付分)から協会けんぽの保険料率が変わります!

協会けんぽの健康保険料率が4月より上がります。
現行の10.09%から平成28年4月より10.10%になります。(福岡県)
また、平成28年4月分から等級が3等級増え、48等級~50等級が新設されることになりました。現在47等級の方は等級が変わり、保険料が上がる可能性がありますので十分ご注意ください。

参考:新設等級の報酬月額
48等級:1,235,000円以上~1,295,000円未満
49等級:1,295,000円以上~1,355,000円未満
50等級:1,355,000円以上~


詳しくは、川庄公認会計士事務所までお尋ねください。

川庄公認会計士事務所 中馬

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