主要な相続財産である不動産について解説します。
相続による土地建物の名義変更は相続登記によって行います。
① 相続人全員で遺産分割の話し合いを行います。
亡くなった方の不動産の名義を変えるには、 相続人全員で話し合いをして誰の名義にするか決める必要があります。この相続人全員で話し合うことを「遺産分割協議」といいます。
相続によって土地建物の名義を変えるには、 まず何よりもこの「遺産分割協議」を行う必要があります。そして遺産分割協議は、 相続人全員が一箇所に集まって話し合いをしなければならない、というものではありません。
手紙、電話、Eメールなどでもまったく問題ありません。
相続人の一人がつくった遺産分割協議の案を、 他の相続人がそれぞれ了承する という形でも遺産分割協議を成立させることができます。
② 遺産分割協議書を作成し、相続人全員が実印を押印します。
遺産分割協議が成立したら 「遺産分割協議書」 というものを作ります。遺産分割協議書の書き方に特別な決まりはありませんが、 以下の2つのことは注意しておきましょう。
・「相続人全員で協議した」という文言を必ずどこかにいれる
・家、土地など不動産について記載する場合は「登記事項証明書」を書写す
上記の2つのことで何らの間違いをしていると、 せっかく遺産分割協議書を作っても法務局に無効と判断されてしまい、不動産の名義書換えができなくなる場合があります。
遺産分割協議書を作り直さなければいけなくなると、 不動産をもらわない相続人が不快な思いをして、話しがこじれることがあります。
そのため遺産分割協議書は、 作り直すことのないように、 ミスなくきちんと作る必要があるのです。
③ 相続登記に必要な書類をあつめる。
相続登記に必要な書類は、以下の通りです。
・亡くなった人の戸籍謄本(出生から死亡までのすべて)
・亡くなった人の住民票の除票
・相続人全員の印鑑証明書
・相続人全員の住民票
・不動産の固定資産評価証明書
・不動産の全部事項証明書(法務局)
・遺産分割協議書(自分たちで作成する)
亡くなった人の戸籍謄本(出生から死亡までのすべて)は、 異なる市町村役場に点在していることがほとんどです。そのため、市区役所の戸籍相談コーナーの方に相談しながら、 すべての戸籍を集めていくとよいでしょう。
不動産の全部事項証明書は、お住まい近くの法務局であれば、 全国どこでも取得できます。
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