Posted by | 川庄 康夫 Yasuo Kawasho |
4. 相続対策としての不動産取得法人設立の検討
自民党税制調査会では、アベノミクス第3の矢である「長期な斉唱戦略」達成のために法人税率の引き下げが取り上げられました。これは、たぶん引き下がるでしょう。
一方所得税の税率は、現行40%から45%へ引き上げられますから、不動産収入を個人に集中させ高い税率で納税を行うよりも、収入を法人へ帰属させ、保険を活用した節税や所得の分散による節税を行うことも考慮すべき時期に入ったと思われます。
では、法人を作ればすべてOKなのでしょうか?いいえ、誰でもが不動産取得法人を設立できるわけではありません。ポイントは以下の3点です。
1.収益性の悪い建物の場合は、会社に建物を売却しても所得分散ができない場合があります。たとえば表面利回り6%以下の場合は資金が回らないでしょう。
2.被相続人が高齢の場合、健康状態があまり良くない場合、建物を法人へ売却する場合に借入金が個人から法人へ移動するため、個人で債務控除が使えなくなり、かえって相続税が高くなることもありますのでよく検討することが必要です。
3.地代の支払いをどのようにするかによっても、その効果が変わってきます。
通常は相当の地代(その土地の時価の6%)を支払えば借地権が法人に移転せず、土地は20%の評価減となります。しかし、毎年その金額を払い続けられる法人は稀です。
実際には固定資産税よりも少し高い地代を支払うこととなりますが、借地権の入り口(借地権契約の設定時)出口(借地の返還時)課税が行われると多額の所得税が発生しますので、無償返還の届出を提出することが望ましいと思います。
この届出は本来なら発生する借地権をなかったものにするという届出です。相当の地代を支払う場合と同じ効果が得られる手段でもあります。
相続対策は財産のみを考えるのではなく、その財産に伴う利益や資金繰りを、総合的に見て判断し注意を払う必要があります。詳細は川庄会計事務所担当者へお気軽にお問い合わせ下さい。
川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫
Posted by Yasuo Kawasho
代表取締役 川庄 康夫
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