節税対策

2016年7月29日 金曜日

高額な資産を購入した場合には注意が必要です!

 消費税法の改正により、原則的な消費税額の計算を行っている事業者が高額特定資産(ざっくりと税抜1,000万円以上の資産)を取得した場合、注意が必要となります。

 内容は、その取得した日を含め3年間は免税事業者になることができず、簡易課税制度による消費税額の計算をすることができないというものになります。平成28年4月1日以後取得のものに適用されます。

 改正前については免税事業者になることや簡易課税制度を使い合法的な節税が行われるケースがありましたが、今回の改正でそれができなくなった形になります。改正を知らずにタックスプランニングをした場合、後に決して小さくない税金を払う可能性があり資金繰りが悪化し経営にも大きな影響を与えます。

 特に高額特定資産を取得することが多い不動産業については、消費税法の適用関係は慎重に検討する必要があります。


川庄会計グループ 川庄公認会計士事務所 田辺和希

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2016年7月23日 土曜日

マイナンバー事務負担の緩和

納税者にはマイナンバーを管理することにより本人確認や適切な管理など、様々な負担が生じていることに配慮し、マイナンバーを記載する書類の見直しがされます。

 特に、「申告等の主たる手続きと併せて提出される、または、申告等の後に関連して提出されると考えられる」所得税の青色申告承認申請書、所得税の棚卸資産の評価方法の届出書、消費税簡易課税制度選択届出書、相続税延納・物納申請書にマイナンバーの記載が不要となります。

 平成29年1月1日以後に提出すべき書類からとなりますが、その日前(平成28年度中)に提出すべき書類についても、運用上、記載を求めないことになっております。

川庄会計グループ 川庄公認会計士事務所 谷川 敏明

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2016年7月13日 水曜日

欠損金の繰越控除の税制改正について

もしも赤字が出たとしても、翌年度以降に引き継ぐことによって法人税負担を軽減することは、企業が安定して存続するために必要な配慮であると考えることができるでしょう。しかし繰越欠損金に頼ってばかりでは、成長を阻害することにつながりかねません。 平成28年度税制改正は、成長志向に重点を置くことで繰越欠損金に頼る安定志向から脱却し、日本企業の成長を促すことを目論んだ27年度税制改正を見直した内容となっています。事実上増税となるこの改正に対して、企業の戦略的な租税対策は今後ますます重要となってくるでしょう。


【繰越欠損金に関する基礎知識】
○そもそも繰越欠損金とは何か
欠損金とは、財務会計上の赤字のことを言います。税法上は赤字ではなく欠損金と呼びます。税務会計では、収益を益金、費用を損金と呼びます。つまり、欠損金とは収益以上に費用が計上されている赤字の状態のことです。 この欠損金を繰り越した状態のものを繰越欠損金と呼びます。正しくは欠損金の繰越控除といいます。つまり、赤字を繰り越すことによって、繰り越した赤字と税額計算の基礎となる黒字部分を打ち消すことができます。これが欠損金の繰越控除です。


【繰越欠損金の適用範囲】
欠損金の繰越制度は、税負担を軽減するための例外措置ですが、青色申告法人だけの特典でもあります。繰越欠損金を利用するためには、法人税に関する青色申告の承認申請書を税務署へ申請する必要があります。青色申告法人は、原則として申請すればどの法人も承認されることとなります。

○繰越欠損金の法改正について
平成28年度税制改正の大綱の概要として、欠損金の繰越控除が見直されています。平成27年税制改正以前では、

・資本金1億円以下の中小法人は生じた赤字全てを繰越欠損金とする
・それ以外の大法人は全額ではなく80%に相当する金額を繰越欠損金とする

とされています。しかし平成27年税制改正を経て平成28年税制改正によって大法人の限度額が80%が、

・平成27年4月1日~平成28年3月31日開始事業年度では  65%
・平成28年4月1日~平成29年3月31日開始事業年度では  60%
・平成29年4月1日~平成30年3月31日開始事業年度では  55%
・平成30年4月1日以降開始事業年度では              50% 

と段階的に縮小する見通しになっています。資本金が1億円以下の中小法人はこれまで通り、生じた損金の全てを繰り越すことができますが、繰越欠損金に依存している大法人は、今後の縮小を見据えた対策が必要になってくることが考えられます。


【欠損金の繰越期間】
ここまでお読みいただいた欠損金についてですが、いったいいつの分の欠損金がいつまで繰り越すことができるのか見ていきたいと思います。 平成23年税制改正により平成20年4月1日以後に終了する事業年度により生じた欠損金について、改正以前には7年であった繰越期間が9年に延長されました。さらに28年税制改正により平成30年4月1日以後に開始する事業年度においては繰り越し期間を10年とすることとなりました。 上記の改正により、繰越欠損金の活用には徐々に制限がかかり、企業側としては活用できる前に切り捨てになってしまうというリスクが高まることも考えられます。繰越欠損金の活用にあたっては長期的な活用を行う視点が求められるでしょう。


丸山 和敏

 

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2016年7月 8日 金曜日

海外取引と税務当局の情報収集方法 -共通報告基準(CRS)適用開始―

C・R・S(Common Reporting Standard)は、経済協力開発機構(OECD)が策定した政府間で銀行口座情報を自動的に交換するための国際基準です。金融資産の情報を各国税務当局間で効率的に交換し、海外の金融機関の口座を通じた国際的な脱税及び租税回避に対処することを目的としています。

海外取引資料の入手方法
①租税条約に基づく相手国との情報交換手続があります。例えば海外取引先の保有する帳簿や申告内容等の情報入手を目的とするような場合です。
②登記事項の取得や外観確認が必要なときは国税庁が派遣している長期海外出張者に対して調査を依頼します。
③国内において民間情報機関を活用した情報入手として帝国データバンク、海外の業者としてはダンアンドブラッドストリート社等が活用されています。

情報交換制度
①非居住者である旨を主張する者に対する調査として、関係国に対し納税の状況、経済、社会活動の状況、居住、出入国状況、取引金融機関等の情報を依頼し総合的に判断することになります。
②海外に利率の高い預金を貯金し運用しているような場合その銀行の調査を相手国の税務当局へ依頼し、該当銀行の取引明細書を入手し課税することになります。

自動的情報交換制度は、相手方の納税者に係る情報を自動的定期的に交換するものです。海外においては我国税務当局の質問検査権はたとえ日本人であっても使えず課税上弊害が出てきます。

そこで昨今は国外送金調書等が資料活用されています。我国から海外へ多額の資金を動かした場合、相手国での利子又配当、不動産収入等の課税洩れにもなるし、又我国においても課税洩れが生じる場合もあります。

今年から国外送金についてはマイナンバーの記入が義務付けられましたので、キーを叩けばその人(Aさん)の国外送金記録は一覧できることになりました。

C・R・Sにより、各国の税務当局は自国の金融機関(銀行、証券会社、信託銀行、保険会社等)から非居住者の口座情報の報告を受け、その情報を口座保有者の居住地国の税務当局と情報交換を行います。交換される情報は口座保有者の氏名、住所、納税者番号、口座残高、利子配当の年間受取額が含まれます。海外の生命保険会社に加入し死亡保険金を海外のオフショア地域に設立したプライベートバンクへ入金したまま日本国内には送金しなかったものが生命保険金の課税洩れとして指摘を受けたと聞いたことがあります。

自動的情報交換制度により、法定調書から把握した非居住者等への支払等に関する情報を、外国税務当局との間で交換し、海外投資所得の申告洩れの把握等に活用した件数は平成26年度で約13万7千件となっています。

他方外国税務当局から国税庁に提供された「自動的情報交換」の件数は約13万2千件です。「自動的情報交換」は法定調書から把握した非居住者等への支払等(配当、不動産所得、無形資産の使用料、給与、報酬、キャピタルゲイン等)に関する情報を支払国の税務当局から受領国の税務当局へ一括して送付するものです。

そのためOECDは平成26年にC・R・S及びその実施項目公表し、G20において各国がこれを承認しました。この基準に対応するため我国では平成27年度税制改正において国内に所在する金融機関から口座保有者の氏名、口座残高、利子配当等の年間受取総額の情報を報告させる制度を導入しました。同制度は平成29年1月1日から施行され、平成30年4月30日までに国内に所在する金融機関から初回の報告、同年9月30日までに初回の情報交換がなされる予定です。その資産の種類に応じた日本及び財産所在地国の租税制度を理解し、適切な税務申告を行うことが必要となります。                               

川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫


 

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