節税対策

2018年8月10日 金曜日

「ふるさと納税」考察

1、ふるさと納税の生い立ち
ふるさと納税とは、日本の個人住民税の制度の一つで、日本国内の任意の地方自治体に寄付することにより、寄付した額のほぼ全額が税額控除される(但し、2,000円控除と限度額がある)制度で、2008年4月30日に公布された法律に基づいて成立しました。

2015年までは個人住民税所得割1割が上限でしたが、2016年以降個人住民税所得割が上限2割迄と拡充されました。

それに伴い、2016年頃から長野県内の市町村を中心に返戻品にパソコンや家電などを送ったり、商品券を贈る自治体やふるさと納税の返戻率が5割を超える自治体も現れました。

そのため、総務大臣は、「ふるさと納税」の返戻率を3割を目安にすべきとの指導を行いました。
過剰な返戻品(率)競争は下火となりましたが、「ふるさと納税」収入が大きく減少した自治体は再度ふるさと納税の返戻率を上げ、今に至っています。

2、ふるさと納税の実績額
   寄付年       適用者        寄付金額
   2010           33,458人         67億円
   2011          741,667人       649億円
   2012          106,446人       130億円
   2013          133,928人       142億円
   2014          435,720人       341億円
   2015        1,298,719人     1,471億円
   2016        2,252,793人     2,540億円

2017年度にふるさと納税を利用して行われた寄付は約3,653億円で前年から40%以上増加しました。一昨年の伸び率からすると、伸び率は低下しましたが、安定して増加しています。

3、「過度に豪華返戻品」自治体を公表
総務省は7月6日に2017年度の「ふるさと納税」の実績を公表しました。

同制度を巡って総務省は、返戻品の価値を3割以下に収めるように度々要請を行っていて、今回の実績とりまとめでは、要請に従わない自治体12団体を公表しました。

総務省の指導に従わない自治体を公表すると逆効果になるのではないか。即ち返戻率が3割以上の自治体ならもっと規制が強まる前に公表された自治体へ納税をしておこうと考える納税者が出てくる可能性も否定できません。

豪華返戻品で10億円以上の寄付を集め、今年8月までに見直す意向のない自治体として、大阪府泉佐野市(135億円)佐賀県みやき町(72.2億円)唐津市(43.9億円)嬉野市(26.7億円)基山町(109億円)福岡県宗像市(15.6億円)上毛町(12.1億円)静岡県小山町(17.7億円)茨城県境町(21.6億円)滋賀県近江八幡市(17.7億円)岐阜県関市(14.1億円)大分県佐伯市(13.5億円)の12団体の名前が挙げられました。

これらの自治体について野田総務大臣は「大変残念で、必要な見直しを速やかに行っていただきたい」とのコメントを出したが、「罰則などの規制については考えていない。」と明確に否定しました。

4、返戻品についての自治体の努力
先日太宰府市長の楠田太蔵氏の話を聞く機会がありました。太宰府市のふるさと納税の振込額は4,000万円しかありません。専任の担当者も置いていません。

太宰府市で有名なものは太宰府産:太宰府産の梅、梅が枝餅、九州国立博物館等ですが、太宰府市で梅を栽培している農家はありません。梅を特産品とするには、これから栽培農家を育成しなければなりませんが、すぐにできる話ではありません。

先日佐賀県上峰町の見学に行きました。同町はふるさと納税で66億円集めています。ふるさと納税専担者が4名いてプロの専門家へ地域おこしを依頼し、計画を立て十分採算が合うように町の活性化に役立てています。

総務大臣の意向に沿い、その範囲内で収益を上げる。まったく企業経営と同じですね。
川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫
 


投稿者 川庄会計グループ

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