節税対策

2017年10月12日 木曜日

税務調査の上手な受け方

1.税務畑での現状
平成23年に調査手続きの透明性と納税者の予見可能性を高めるなどの観点から国税通則法が改正されました。これにより税務調査手続きについて「事前通知」や「調査結果の説明」等、全10項目が法定化されたため、税務調査官の税務調査にかかる手間が増加しました。

国税職員は平成9年(5万7202人)をピークに平成28年(5万5666人)は1,536人減少しています。一方所得税、法人税の申告件数は、平成元年から平成27年までで1.3倍増加しています。そのため税務署は納税者の申告情報をe-Tax経由で受け取り、国税庁のKSKシステムで管理しデータベースを活用し、税務調査の効率化を計っています。

将来マイナンバーを利用し申告が洩れている所得や資産を税務署が把握する仕組みづくりを国税当局は目指していると思われます。

衆議院の選挙戦が始まりました。プライマリーバランス(借入金を除いた税収等による歳入から国債の元利払い費など過去の借入金返済に要する経費を除いた歳出を差し引いたもの)を2020年に均衡させて財政を健全化し、今後国債の発行に頼らず歳入で歳出をまかない我国の国債の信認を得るという従来からの目標を先送りし、教育の無償化を含む社会保障の拡大が争点の一つとなっています。

野党も大企業の内部留保に課税をするなど、所得税や法人税率を上げ取れるところから、取り易い所から取るような主張です。

多額の資産を持っている人へ課税するには換金がしづらい納税が不可能な資産との区分けをどうするかも具体的に定めなければいけません。

そのためには国民一人一人の財産状態を明確にできるマイナンバーの活用が有効と思われますが、現在マイナンバーカード取得者は1,200万人に届きません。マイナンバーに通知カードを取得していない人も多数います。

これらを解決しなければ公平な課税は難しいと思われますが、国会議員の先生方が率先して取り組まねばと思います。

2.税務調査の現場での対応
税務調査は強制調査のマルサと任意調査(一般調査)に分けられます。任意調査だからといって拒否することはできません。

税務調査の日程は税務当局が指定する訳ではなく納税者本人、税理士、税務当局の間で調整します。

実調率(税務調査の実数÷納税者数)は、所得税が100年に1度、法人でも十数年に1度程度と言われていますが数年に1度の割合で納税調査を受ける方もいます。

税務調査のやりかたは法人税、所得税とも同じで調査1日目は法人・個人の事業概況、売上、雑収入の計上方法と処理の流れ、次に経費の計上方法と会計処理の流れを聞かれます。
この時のポイントは「聞かれたことだけ」答えることです。「余計なことは言わない」ことです。
最近の税務調査の傾向として、現金実査をすることが増えてきました。青色申告の要件として現金出納帳の保管があります。

今ある現金の残高と現金出納帳の残高が一致していることは当然のことです。不一致があると売上除外や経費除外などの不正をしているのではないかとあらぬ疑いを招きます。

調査官は「人は悪いことをする、税金を安くするように努力する」と性悪説で指導を受けています。特に現金は誤り易く不正も生じ易いので、現金勘定が一致しているときちんとした会計処理をしているとの印象を与え、調査官は性悪説から性善説へと少し傾きます。そのため一致させることを念頭に処理してください。

必要経費には事業関連性が必要です。事業に使用してことを立証することがポイントです。最近の調査では事業用の車についてどれだけ事業に使用しているかを問われます。

法人所有の車でも事業に使っているか、個人的に使用していないかがポイントになっています。

個人事業の場合、「車は個人的に使用していません。仕事に忙しく遊びに行くのは2週間に1度近場に出かける程度です」という状況だと、自己否認は7.1%程度となります。事業用の使用状況が主張できるようにノート等にその記載を残しておくとベストです。

川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫



投稿者 川庄会計グループ

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