節税対策

2017年3月 8日 水曜日

金持ち受難の時代?

1.社会保障費増大に伴う歳入確保

経済のグローバル化に伴って、企業は国境を越えて活動しています。それらの企業の中には法人税率の低い国へ利益を移動させるなどして、課税コストを低く抑えようとします。そのため我国の法人税の実行税率は50%超から30%を切るところまで低下してきました。

一方社会保障費は団塊世代の前期高齢者の仲間入りし、年金、医療、介護支払い額の増加する時期がひたひたと迫ってきています。これら歳出増を賄うため、消費税率を5%から8%へ引き上げ2017年に10%へと引き上げる予定でしたが、消費税率を8%へ引き上げたところ消費支出が予想以上に減少したため、消費税率10%の引き上げは先送りしました。しかし社会保障費の増大は〝待った無し″ですから歳入の確保は絶対必要項目となっています。

法人税を引き上げるとエクセレントカンパニーは我国を見限って外国へ転出します。消費税率を引き上げると景気が落ち込み安倍内閣も持たなくなります。そこで目をつけたのが所得税と相続税です。所得税率は5%から45%迄の超過累進課税となっています。我国の課税最低限は先進国中最も低い部類に属しますが我国は社会インフラが未整備(電気、水道代等生活をする上で必要不可欠の支出)のため一般の人にとって生活しにくい環境です。

この状態で所得税率を引き上げたり課税最低限を引き上げると社会的混乱を招くことになるので取り易い所から取ることになり、国民全体からすれば数は少ないけど金額としては大きく徴収できる層(高所得者高資産家)に的を絞った税制改革を行ってきました。

今回の所得税改定ではサラリーマンの必要経費である給与所得控除の縮小です。以前は5%と青天井であったものが徐々に縮小され、今年度から給与収入が1000万円以上については225万円で打ち止めとなりこれらの人々には大きな増税となります。今税制改正の俎上に上がっている配偶者控除1220万円以上給与をもらっている人は配偶者控除はなくなり拾数万円の増税となります。平成27年分から45%となった所得税最高税率は社会状況によっては55%迄上昇する可能性を秘めています。

相続税についても課税対象者の枠を広げ2015年の相続税の申告状況は死亡した人129万444人のうち課税対象となった人は10万3043人で前年の5万6239人から倍増しました。亡くなった人の8%の人が相続税の申告をすることになりました。面積は狭くてもいい場所の不動産を持っている人、貯金に励んだ人、大きな生命保険金に加入した人、投資の運用成績がよかった人、先祖から引き継ぐ資産があった人等が相続税の申告が必要となったと思われます。
相続税がかかりそうな人だけでなく末永く兄弟姉妹仲良く暮らしたいと思われる方は福岡相続相談センターや社団法人高齢者支援協議会がありますので御相談ください。

2.採れるところから採る

以前から税務当局は税務調査の重点強化項目として消費税、相続税、海外資産、富裕層の4つのキーワードで「深度ある調査を行う」としてきましたが、相続税、海外資産、富裕層で対応する方向性が見えてきました。当局はその場の都合で利用できるものは全て利用する、理由は何とでもなるとの思いもあります。その一つが〝マイナンバー″です。

マイナンバーは当初①税②社会保障③災害対策のみに利用を限定することで決定されましたが消費税の軽減税率を利用する時にスーパー、デパート等で購入した際にマイナンバーカードを提示しまとめて税還付を行うことになりかけましたが国民の反対にあい頓挫しました。
また、政府、与党が推進するカジノ構想でギャンブル依存疾患者対策としてマイナンバーを利用し、依存症患者の入場制限に利用する構想が持ち上がっています。

マイナンバーが導入されるといろいろな利用の仕方があります。全て完璧とはいいませんが、ある程度所得、財産が捕捉される可能性があります。2018年からは銀行口座にマイナンバーが紐付けされますし、海外銀行口座開設、海外有価証券投資にもマイナンバーの記入が必要となります。節税は必要ですが脱税はいけません。

川庄会計グループ代表 公認会計士 川庄 康夫



投稿者 川庄会計グループ

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