節税対策

2017年3月 8日 水曜日

金持ち受難の時代?Part2

1.2020年プライマリーバランス(PB)均衡へ 
基礎的財政収支(PB)とは財政収支において、新規国債発行額を除いた歳入総額(税収、税外収入)と国債費(国債の元本返済や利子支払いにあてられる費用)を除く歳出総額との収支バランスのことです。

社会保障、公共事業、防衛、地方交付税交付金などの政策経費が、毎年の税収等でどの程度賄われているかを示します。通常、政策経費が税収等より少ないと黒字になり、逆に政策経費が税収等を上回って赤字になると国の借金が増えます。

日本では1990年ごろのバブル崩壊後の景気対策や高齢化による社会保障費の増加などで政策経費が大きく膨らみ基礎的財政収支は1992年度から赤字状態が続いています。その結果、現在、日本の総債務残高は主要国の中で最悪の水準となり1000兆円を超えています。

安倍首相は2020年度にプライマリーバランスを均衡させるとアナウンスし消費税の増税を行うことで均衡を達成する計画を立てていましたが5%の消費税率を8%に引き上げると景気が落ち込み、消費税率を10%引き上げる予定を先送りし現在の景気の状況ではその10%への引き上げも難しい状況です。

団塊の世代が65歳以上の前期高齢者となりました。2025年には団塊の世代は全て後期高齢者となります。2000年4月導入時の介護費は4兆円であったのが2011年度には8.4兆円と倍増しました。今後の推計では2025年度には20兆円程に膨れ上がることが見込まれています。

医療費も国民の高齢化に伴い増加が見込まれるし、医療の高度化やガンの免疫薬オプチーボ(この薬を使用すると製薬会社へ1人当たり年3700万円の支払が発生し、健康保険制度が保てないとのことで2年に1回の薬価改正を毎年の改定に制度変更し、今年の6月から適用され50%減額されることになりました。)等の高額薬の保険適用により、国民医療費も増大します。

2.歳入の増加のために?
税務調査の現場では、相続税はその金額が多額になるので申告漏れがないように仕組み作りが行われてきました。提出義務はありますが罰則がなく、ずさんな財産債務明細書から提出基準を見直し(所得2000万円超でかつ総資産3億円以上)該当する人は翌年3月15日迄に財産債務調書を提出しなければならないと定められ加算税の加減算によるインセンティブ措置が導入されました。

また、グローバル化に伴い海外で活躍する日本人も増加しており海外取引を使った節税や相続税の課税を減少しようとする人達が出てきました。最近では武富士事件が有名です。5年間海外に移住している人に贈与を行った場合、我国の税法が適用されず、NoTaxで財産を移すことができる。武富士事件は息子の居住が香港なのか日本にあるかで争われた事件です。訴訟最高裁で決着し、納税者勝訴となり納付していた贈与税1600億円に還付金400億円を加えて2000億円が納税者の手許に行きました。

これ以降、国外居住期間を5年から10年に変更しました。海外で10年間も無駄に過ごすことは厳しいと聞いています。

日本ではマイナンバー制度が適用され2018年度から銀行預金にも適用され、所得の補足や財産の把握が簡単にできるようになります。

租税条約等に基づく自動情報交換制度が2017年から実行され、我国では2018年から情報提供します。その国に住んでいない個人や企業が持っている金融機関の口座情報を、居住地や所在地の国・地域の税務当局に年1回提供します。従来は要請があった時に情報提供していましたが、租税条約に基づき定期的に行い現在約100カ国が参加しています。

交換する情報は住所、氏名、納税地での納税者番号、口座残高、取引明細などです。日本は各銀行が情報を集めて税務署へ提供し、国税庁が海外の税務当局へ渡します。国税庁も海外の税務当局から日本人の口座情報を得ます。過去に海外口座を開いた国の利息などが申告漏れした場合、追徴課税される可能税もあるかもしれません。

消費税、相続税等の税の捕捉ができるとある程度の歳入の確保の一助になるかもしれません。税務調査も厳しくなる傾向にあります。
川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫


投稿者 川庄会計グループ

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