経営コラム

2016年3月16日 水曜日

マイナンバーの使われ方

マイナンバー制度では、住民票を有する全ての人へ、12桁のマイナンバーを指定し、社会保障、税、災害対策の分野で個人情報とマインナンバーとを紐づけて国民の利便性を高め公平かつ公正な社会を実現する。としています。

利便性については、年金申請時等の添付書類が減ったり結婚による年齢や健康保険の手続きが簡略化されたりします。公平かつ公正な社会の実現に向けては、課税の公平が考えられます。

例えば2カ所給与等も番号検索で把握できるし、不動産収入についても、マイナンバーを記載した支払調書(大家さんへ支払った金額)が税務署へ提出されるので不動産収入洩れが減少すると思われます。

兄弟で親を扶養していた場合、今迄は兄弟が各々親を扶養に入れて申告していても分かりにくかったのですがマイナンバーによって、即座に誤りが判定されます。また財産がありながら生活保護を受けている人も是正される可能性があります。

また、災害時には、被災者台帳を迅速に作成することにより行政手続きが円滑に運用されます。この中でも、税の分野での情報の収集が最も進んでいます。現在国税庁が注力しているのは、国外資産(資産フライト)と富裕層対策です。そのため東京国税局、名古屋国税局、大阪国税局に超富裕層を対象にしたプロジェクトチームを発足しています。

マイナンバー制度の活用の露払いのごとく報告制度が作られました。
毎年12月31日に海外資産5000万円超を保有している人は翌年3月15日迄に明細を報告しなければいけないのですが制度開始1年目は罰則がなかったので、報告者は多くありませんでした。

翌年(平成27年3月15日付)には1.5倍の報告がありましたが、東京、大阪、名古屋国税局関内で90%強を占めています。海外不動産投資をした人も相当数おられるようですから、今後徐々に報告する人も増加すると思われます。昨年1人海外資産報告義務違反で摘発されました。

昨年10月5日福岡税務署と税理士会の協議の席で、平成26年12月31日での国外財産調書の未提出者について、益田個人課税第一統括官より「本日付で未提出者等に照会文書を発送しているので、税理士の先生方にご協力をお願いしたい」との依頼があり、川庄公認会計士事務所のお客様にも問合せが来ましたので回答致しました。

我国も以前は締結してなかった香港、シンガポール等も租税条約を締結しました。租税条約とは、国際的二重課税を解消する仕組みと相互の情報交換により租税回避を防止することにあります。将来はマイナンバー制度も役立つものと思われます。

平成28年1月より海外送金する場合又海外より送金受取りの場合、マイナンバーを銀行に連絡しなければいけません。昨年迄は海外送金100万円を超える場合に支払調書が発行されることになっていましたが、今年からは金額にかかわらずマイナンバーの届出が必要となります。

マイナンバーカード未入手の方は個人番号の記載のある住民票の提示が必要となりました。外国送金依頼書にはマイナンバーを記載する箇所はありませんが、銀行へその提示が義務化されました。又投資信託、財形貯蓄等の取引を行う場合もマイナンバーカードの提示が必要となります。マイナンバー制度では銀行預金への紐付けは18年からその義務化は21年からとなっていましたが、その周辺から囲い込みがなされています。

金の取引においてもマイナンバーカードの提示が求められます。28年1月から1個200万円超の売却を行う場合にはマイナンバーを売却会社へ連絡しなければいけません。金の譲渡所得漏れを防ぐことを目的にしています。

一般の人々の認知が広まれば、報告金額を下げたり、売買に関してもマイナンバーを報告することにすると、国民の財産状況も把握可能となり、又財産債務報告書との活用連絡で相続財産が洩れることもなくなるので公正な課税がなされることになります。27年12月31日現在での財産債務調書の提出にも、罰則があります。洩れなく報告しておけばよろしいのではないかと思います。
 

川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫


 

投稿者 川庄会計グループ

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