節税対策

2015年10月15日 木曜日

増税志向を考える

1.増税志向の背景
我国は1990年頃にバブル景気が崩壊し経済は高度成長から低成長へ移行しました。この期間は失われた20年と表現され、GDPでも中国に追いつかれ追い越され世界3位の地位へ低下しました。

国民の年金・介護・健康保険等は低成長を前題と組み立てていなかったので、すぐに制度疲労を起こし、歳入で歳出を賄うことができなくなりその差異は年々大きくなっています。団塊の世代が後期高齢者になる2025年には年金・介護・医療費等の支払いで巨額の国債を発行しなければなりません。

我国の政府債務は100兆円を超えています。国債は毎年40~50兆円発行しているので、あと10年もすれば1400兆円の国債発行残高となりその額は国民の金融資産残高に匹敵します。その時はギリシャ危機のような状態になるかもしれません。そのために税の仕組みを取れるところ(相手)から取ろうとしているとしか思えない施策を取っています。

我国では所得税率10%の人が国民全体の70%以上を占めいています。この層に課税すると影響が大きいので取り易い層から取る方向へ舵をきりました。平成27年から所得税率は5%アップし最高税率は45%で住民税と合算すると55%になります。また相続税、贈与税の税率も5%アップし最高税率が55%となると同時に広く浅く相続税を徴収することで課税最低限を引き下げ、相続人が配偶者と子供2人の場合、基礎控除額は8,000万円から4,800万円と引き下げられ、福岡でも少し場所が良いところに不動産をお持ちの方は相続税が課税されるかもしれません。

2.マイナンバー制度導入
平成28年度からマイナンバー制度を使った仕組みが発行します。マイナンバーは使用が限られ税と社会保障と災害対策にしか使えません。災害対策については2011年3月11日の東日本大震災から急遽取り入れられました。本来の目的は税と社会保険の分野が一番だと思います。

今我国では社会保険加入の法人が60万社あります。このナンバー制度を活用すると社会保険未加入法人を洗い出し加入を促すことができます。一部の法人では、社会保険に加入したくないので法人から個人事業へ移行する動きもみえます。(個人事業は従業員5人未満だと社会保険に加入する必要がない)

また、税においては支払調書や源泉徴収票にナンバーが付番されるので、申告洩れや扶養控除ミス等は防ぐことができます。

法人番号により無申告法人も表面化するので税務調査もやり易くなると思われます。毎年、過去最高を更新している生活保護世帯の正しい所得状況の把握も行うことができるし資産状況の把握も簡易に行うことができます。

3.財産債務調書
税務当局が相続税申告の際に利用するものとして財産債務調書があります。今までは申告所得2,000万円以上の方は前年12月31日現在での資産負債の状況を報告する制度はありましたが罰則はないためすべての財産を記載せずに提出したり、報告しない人の割合も54%前後ありました。

今回国税通則法の改正に合わせ、「財産の種類」「数量」「金額」「財産の住所」「有価証券等の銘柄及時価」等を記載する「財産債務調書」を提出すべき対象者は、その年分の申告所得が2,000万円を超え、かつその年の12月31日においてその価額の合計額が3億円以上の財産又はその価額の合計額が1億円以上の国外転出特例対象財産を有する人です。

財産債務調書は翌年3月15日迄に所得税の申告書と同時に税務署へ提出しなければなりません。(本年に該当する人は、平成28年3月15日迄に提出しなければいけません)会社経営のオーナー社長、医療法人の理事長先生、大きく不動産申告をしている財産票等が対象となり、個人加入の生命保険も解約返戻金相当額として計上しなければいけません。提出期限内に提出しなかったり主要なものの記載が不十分な場合、過少申告加算税等が5%加重されます。該当する方は提出した方が無難です。将来に備えて国民の財産を管理する方向に進んでいます。
 

川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄康夫
 


 

投稿者 川庄会計グループ

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