経営コラム

2015年6月15日 月曜日

企業側から見たナンバー制度 パートⅢ

1.ガイドラインの概要
ガイドライン(事業者編)の目的は、番号法の規定およびその解釈について具体的な例を用いてわかりやすく解釈すること、ならびに個人番号が実務の現場で適正に取り扱われるための具体的な指針を示すことにより、安心・安全な情報の取扱い方法を定めたもので、きわめて実用的なものです。

ガイドラインは正式名称を「特定個人情報の適正な取り扱いに関するガイドライン(事業者編)」といい、特定個人情報保護委員会という内閣府の外局として設置された独立行政委員会が作成しています。(http://www.ppc.go.jp/legal/policy/)

2.特定個人情報等(マイナンバー)の具体的取扱い
特定個人情報を提供する側(従業員等)は番号法で限定的に明記された場合を除き、特定個人情報を提供してはいけません。限定的に明記された場合とは、従業員本人が給与の源泉徴収事務のために自分の個人番号を記載した「給与所得者の扶養控除等申請書」を事業者に提出する場合です。

番号法の第4条に、個人番号の取得に関して、個人番号の提供を求める根拠・個人番号の提出の求めの制限・収集・保管制限・本人確認等があり、安全管理措置等として委託の取扱いや特定個人情報に関する安全管理措置が定められています。またその利用については個人番号の利用制限・特定個人情報ファイルの作成の制限等があります。

非上場会社の株主に対する配当金の支払いに関する支払調書の作成事務の場合は、支払確定の都度、株主からその個人番号の提供を求めることが原則ですが、株主としての地位を得た時点で個人番号の提供を求めることも可能です。

3.本人確認と委託の取扱い
番号の提供を受けた事業主は、本人確認を行わなければいけません。個人番号カードの提示があれば問題ありません。個人番号カードには個人番号と顔写真があり、容易に確認ができます。ただし、番号通知カードには顔写真がありませんので、写真付の運転免許証やパスポート等の顔写真入りの身分証明書で確認します。個人番号カードはマイナンバーの通知とともに「個人番号カード交付申請書」が郵送されてきますので、写真とともに申請すると交付を受けることができます。

本人確認の際に、「本人確認をした」という記録のために、個人番号カードのコピーをし、保管することは可能です。
会計事務所は、番号法で個人番号関係事務の委託や再委託を受けますので、それについては厳格に規定されています。

委託者(クライアント)は受託者に対する監督義務が課せられていますので、適切な委託先を選択し、安全管理措置をさせるための契約をし、特定個人情報の取扱い状況を把握しなければなりません。クライアントは適切な税理士・会計士事務所を選び、契約(合意書・誓約書でも可)を結び、税理士・会計士事務所が特定個人情報を適切に取り扱っているかを監督する義務があります。

契約の方法は新しく契約を結んでもいいし、追加で契約を行っても構いません。その契約内容として、「秘密保持義務」「特定個人情報の持ち出し禁止」「目的外利用の禁止」「契約終了後の特定個人情報の返却、廃棄」「従業員に対する監督・教育および契約内容の遵守状況について情報を求める規定」等を記載しなければいけません。

4.安全管理措置
個人情報が漏えいした場合、事業者の責任が問われ、損害賠償の請求がされることがあります。それらを防ぐために事務責任者及び取扱担当者の明確化、報告連絡体制、取扱規定等に基づく運用および取扱状況を確認するための記録ならびに情報漏えい等の発生に備えた体制の整備等を行わなければいけません。

事業者は、責任者、事務取扱担当者に対して、必要かつ適切な監督および教育を行わなければいけません。周知の方法としては、特定個人情報等についての秘密保持に関する事項を就業規則や雇用契約書等に記載することで安全管理措置の徹底を計り、損害賠償等を受けない対応が求められます。

物品・個人情報ファイル・パソコン等の管理については、施錠可能なキャビネット書庫等に保管することも必要になります。
自社・他社を問わず個人番号を取り扱う人についても、組織図等の職務権限、職務分掌を含めた見直しも視野に入れていたほうが良いかと思われます。

川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫

 


 

投稿者 川庄会計グループ

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