経営コラム

2015年3月24日 火曜日

日本国債は大丈夫か?

1. プライマリーバランスの黒字化

安倍内閣は、2020年度の財政健全化目標達成するための具体策の検討を始め、今夏までに策定する方向で検討しています。

内閣府が今年2月に示した「中長期の経済財政に関する試算」によると20年度の基礎的財政収支は、予定通り17年度に消費税率を10%に上げ、今後の成長率を3.5%前と(高く)見積もった経済再生ケースでも9.4兆円の赤字見込です。
  
我国の国債発行残高は2013年6月末時点では約830兆円、借入金65兆円、政府短期証券は123兆円と国の借金は1008兆円となっています。日本もギリシャのごとくなっては困ります。国を破綻させてはなりません。

歳出をしぼり、歳入を増やすとの王道を進むのがベストですが、高齢化社会となっている我国では、社会保障費は自然増だけで、毎年1兆円増加しています。不公平な生活保護費や無駄な社会保障給付を抑制し、歳入の増加に努める必要があります。即ち消費税率は将来的には欧州等の平均税率20%前後になる可能性を秘めています。我国が信認を得るためには、基礎的収支の黒字化は欠かせません。

2. 白川氏→黒田氏→?

前日銀総裁白川さんは安倍首相・菅官房長官の超大型の金融緩和―マネタリーベースを2倍、3倍・・・にするとの要請を、日銀の独立性を盾に拒否しました。

そこで政府は日銀総裁の首をすげかえることによってマネタリーベースを増やしました。この後、白川氏の再就職に手を出しませんでしたし、白川氏が大学へ履歴書を送付して就職依頼をし、青山学院大学が教授として受け入れる方向になった時にも、菅さんはあまり大学人としてはふさわしくないとのコメントを発表したため就職は叶いませんでした。

黒田日銀総裁は2013年3月にマネタリーベースを現在の3~4倍にすることでデフレから脱却し、物価上昇率を2年後2%アップしました。金融機関が持っている国債を日銀が購入することにより、市場に現金を吐き出し銀行は企業等へ貸出を増加させて経済成長を計ろうとの思いがありました。

国債を増発し、まず銀行が国債を購入し、少し利益を乗せて日銀が買取るという仕組みが出来ていました。銀行は新発国債を購入後、売却益を出すことで銀行は収益を上げていますが、銀行本来の収益業務純益は、銀行間の貸出競争の激化に伴い減少の一途です。

黒田氏も元財務官僚ですから、このままの状態が続けばいずれ我国は破綻すると思っているので、2015年10月からの消費税増税を主張し延期反対の立場を取っていましたが安倍、菅両氏は消費増税を先送りし、衆議院を解散させました。

その結果、与党を圧勝に導き「安倍1強体制」を盤石にしました。権力基礎の強化は、財政再建論議や日銀との関係にも影響を及ぼし始めています。

市場では一物一価の法則があります。供給量が増加すると価格が下がる。即ち本来だと国債の発行量が増加すれば国債の価値が低下するはずですが、日銀が、銀行から多額の国債を購入しているため、国債の価格は低下せず、むしろ価値がアップしている状況です。

国債の増発をいつまでも続けることは出来ません。いずれ早急にプライマリーバランスをととのえて、黒字化を達成しなければ、破綻が避けられないと思っているところに消費増税延期となったので、安倍、黒田両氏の間に溝ができつつあります。

しかし、日銀が国債の購入を取りやめれば、長期金利は急騰(国債の価格は急落)します。830兆円も発行している国債金利が5%になれば、国家予算は全て国債金利の支払いに消えます。そうなると我国は破綻します。

そうならないためには、消費税率10%では賄いきれません。いずれ追加増税の話が出てきます。マイナンバー制度が導入され、資産や所得の把握がなされ一段の増税となりますので、一層の節税が求められます。
 

川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫
 


 

投稿者 川庄会計グループ

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