節税対策

2014年10月10日 金曜日

換価の猶予の特例(申請)の創設

国税庁がHPにて公表する平成25年度租税滞納状況によれば、滞納国税の第一位は所得税(約47%)であり、第二位は消費税(約31%)とされています。本年4月1日に消費税率が上がったことが記憶に新しいですが、この統計から考察すると、消費税の滞納率が今後あがっていくことが予測されます。

ところで、国税の滞納があった場合は、原則的に、税務署から滞納者に対して督促状を発せられ、一定期間内に納付をしなければ、財産が差し押さえられて最終的に換価されることとされています。憲法において国民の三大義務として納税義務が明記されている以上、このような措置(滞納処分と言います)が執られることは当然と言えるのかもしれません。

しかしながら、滞納者の背景にはいろいろな事情があるはずです。税金を払いたくないから払わない人もいれば、不幸にも災害にあっために財産を失って払えない人もいます。そのような事情を一切勘案せずに一律に滞納処分を執るのは血も涙もないことになってしまいます。

そこで、納税者の事情を勘案し、一定の条件のもと、本来の納期限を先に延ばして貰える等の緩和措置がいくつか認められています。この緩和措置は、本来の納期限を延長して貰えるものと、差し押さえられた財産の換価を待って貰えるものに大別されます。今回はこの後半の措置に焦点をあてます。

すでに述べたように、国税の滞納があった場合は、原則として、財産が差し押さえられ、換価されます。差し押さえといっても、全く使えなくなるわけではなく、例えば、不動産などは通常の用法に従うこと等を条件に、他人に貸して不動産収入を得ることは認められています。ところが換価されると、その財産は他人のものになるわけですから、差し押さえられた財産の換価を待って貰えることの意義は大きいのです。この換価の猶予という制度について、改正がありました。

換価の猶予は、税務署長の職権で行うものであったのですが、改正により、これに加え、猶予制度の活用を促進するとともに、滞納の早期段階での計画的な納付の履行を確保する観点から、毎月の分割納付等を条件として納税者が申請を行えることになりました。改正前は納税者から申請する権利がないため、滞納の早期時点での運用が実際上困難であったという批判があったようです。今回の改正により、納税者は自ら換価の猶予を申請する権利が認められたため、制度の適用を検討する納税者によって行動しやすくなり、制度の活用が促進され、少しでも国税の滞納状況が改善されるように期待したいと思います。

川庄公認会計士事務所 谷川 敏明




投稿者 川庄会計グループ

カレンダー

2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            
セミナー案内 セミナー参加者の声
各種お申込み お問い合わせ