経営コラム

2014年2月 6日 木曜日

会社の寿命パートⅡ ~中小・中堅企業編~ その1

1. 企業経営に受容な「創業者視点」
 日本を代表する上場企業の会社の寿命は、以前は「30年」といわれていましたが、昨年の日経ビジネスの調査によると、現在は「18年」程度とのことです。

その日経ビジネスには、会社の寿命「18年」と共に、会社の寿命を延ばし、会社が成長を続けるには3つの視点が欠かせないとも記載してあり、さらに、現在の日本はその1つである「創業者視点」を失ってしまった、と記されていました。

 日本企業が「創業者視点」を失った経緯としては、1985年のプラザ合意に端を発した、米国流経営の導入による経営環境の激変があげられます。それは、長期利益の極大化よりも短期的経営の極大化が礼賛されるという傾向を原因としているものです。それに追い討ちをかけるように、1993年に会社法の改正があり、株主代表訴訟が容易に起こせるようになりました。

 その後、エンロン事件の発生や、2003年に四半期決算が義務化され、日本版SOX法などの内部統制が強化され、株主の権利が強化されていきます。株主は企業の長期的な発展よりも、企業の短期的利益の極大化を望むので、上場企業は短期収益主義・配当性向を高めるようにならざるを得ませんでした。

 上場企業は、前述の理由から創業者視点から逸脱する傾向にありますが、中小・中堅企業には四半期報告書提出・配当性向を高めよとの要請はないので、外部の声に反応する必要はありません。中小・中堅企業の創業者社長、2代目、3代目の社長が「創業者視点」を持った経営を続けることはさほど困難ではないのです。

 では、「創業者視点」とは何か。それは、事業に取り組むにあたり自らリスクを取って苦労を重ねながら起業した創業者(オーナー)と同じ目線のことです。具体的には、「計画に基づいて、毎年の売上高・利益共に年率平均3%以上の成長を遂げること」などです。そのためには、自社コア事業強化のために長期投資を行い続けることが必要です。
 
 長期投資には設備投資・PR投資・人材投資・教育投資・企業情報収集投資等いろいろなものがあります。川庄会計グループも前述のようなものに投資を行っていますが、過去を振り返りますと、その投資を行った結果が100%有効だったものは少ないような感じがします。

 ですが、この投資等を行ってきたからこそ、今日の川庄会計グループがあると思っています。失敗となる投資もあるかもしれませんが、売上高の5%~10%の長期投資を続け事業強化を計らなければなりません。継続的に長期投資を行い、利益の上昇を実現するために「経営計画書」を立てなければなりません。

 「経営計画書」は企業の進む方向を示すものとして、経営者と社員の共通目標をあわせるものとして、なくてはならないものです。川庄会計グループでも毎年10月1日に川庄会計グループ(川庄公認会計士事務所、㈱クリエイティブ・マネージメント・コンサルタンツ、㈱KS人事研究所)3社まとめた経営計画発表会を行って意識の共有化を計っています。

 中小・中堅企業は外部の利益要請・配当政策等を気にすることなく、柔軟な経営が可能ですが、設備投資や運転資金などを融資に頼ることが多くなります。そのため、銀行の要請を断りきれず、リーマンブラザーズの私募債を購入し、1億円ほどの損失が発生したり、為替予約・FX取引等で多額の損失が生じた企業もあったと聞いています。

銀行とは対等の付き合いをすべきで、銀行のノルマ要請に負けて過度な付き合いはしないことです。そうは言っても銀行との付き合い上、キッパリ断ることはなかなか難しいものがあります。無理をしない範囲(会社の屋台骨を揺るがさない程度)を認識しておく必要があるでしょう。
 

川庄会計グループ 代表 公認会計士 川庄 康夫


 

投稿者 川庄会計グループ

セミナー案内 セミナー参加者の声
各種お申込み お問い合わせ